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成長とは何か

2023年02月01日

 多くの企業が社員の成長をモットーに掲げています。実は、当社も掲げています。では、成長とはなんでしょうか。「企業における」社員の成長ですから、それは、より仕事ができるようになること。ここまでは、誰も異論がないでしょう。しかし、どうしたら、仕事ができるようになるのかということになるとあまり納得のいく説明にはお目にかかれません。私は社員の成長のプロセスというのは以下のように考えています。

第1段階 判断できるようになる
 社会に出た当初というのは誰しも自分で判断できる範囲というのは極めて限られています。だから、他人の判断に従うことが多い。日本だと、誰も判断しなかったりもしますから、空気に従ったりもします。しかし、いつまでもそれではいけません。だんだんと自分で判断できる領域を広げていかなければいけないのです。与えられたことをただやっているだけのつまらない社員になってしまいます。では、どうすれば判断できるようになるか。それは、まず思い切って判断することなのですが、これがなかなかできない。判断すれば周囲から反応があります。これが怖いからです。しかし、ここを越えなければ、成長できないどころか退化します。周囲との関りが減るので言語能力を失っていくからです。「あなたの意見は?」との問いにいつも「部長がこう言った」とか「マニュアルにこう書いてあった」という回答を繰り返す人間になってしまいます。判断能力を上げるにはどうしたらいいのか。これは、実は目先の仕事ばかりやっていてもだめなのです。世の中というものがわからなければいけない。だから、私はみなに紙の新聞を読むことを勧めています。ただし、デジタル版はダメ。これでは全体像が見えません。紙の新聞を毎日全ページめくっていれば今世の中で起きていること、話題になっていることが大体わかります。それが自信となって判断する勇気が生まれるのです。そして、そうした判断を繰り返しているうちに周囲に対する感覚と洞察力が高まり、判断の質が上がります。考えなくても判断できるようになる。勉強して資格をいくらとっても判断できるようにはなりません。

第2段階 行動できるようになる
 判断はできるようになって、意見は言えるようになっても、行動しないのであればただの評論家です。有効な行動をするにはたしかにある程度の技、つまりスキルは必要になるでしょう。しかし、それよりもっと大事になるのは他人の力を活かす力です。当社ではこれを、リーダーシップと協働性と呼びます。行動するのは恐ろしいものです。それは、周囲の反応が返ってくるからです。その反応は判断に対する反応よりも何倍も大きい。しかし、この段階を乗り切れなければやはり後は退化が待つのみです。自分ではなにもやらないで能書きだけを垂れている人間、他人のやっていることを論評と批判だけしている人間になれば、5時からの人気者にはなりえても職場で使える人にはなれません。社員の行動力を育むにはやはりミスを咎めず、お互いの個性を生かし合いながら助け合う職場の文化づくりが重要となるでしょう。

第3段階 行動に対して返ってきた反動と闘えるか
 ここまでくれば、もう、中級です。もう、かなりのことができるようになり、自信みたいなものもできてきていることでしょう。しかし、そういう時に、往々にして落とし穴にはまっている。自分の言動が理由でとんでもないトラブルに巻き込まれたりもするものなのです。そのときに逃げずに闘えるか。ここで、逃げて誤魔化したものは、自分というものを見失うこととなります。そうなれば、初級に逆戻りどころか、ランク外に転落です。そうならないように、会社は、闘うものをサポートしなければいけないし、ここまでくれば中級なのだから、逃げたくても逃げられない環境づくりという厳しさも必要になるのでしょう。

第4段階 結果を胸に抱いて死ねるか
 いよいよ、上級。最後は、死ぬ覚悟ができているかです。結局、どうしようもなければ、最後は死ねるかということです。別に昔の武士と違って切腹しろということではないですが、まあ、手前勝手なお気持ち論ではなく客観的な事実と状況判断に基づいて自分を裁けるかということ。これができれば、それはもうビジネス達人なのでしょう。私もとても自信がありません。しかし、もしできずに、誤魔化せば、後は、ランク外どころかゾンビに転落です。

 事程左様に、成長というのはそんなに簡単なことでもないですが、できなければ悲劇も待っているわけで、会社というのは社員の成長というのを軽々しく考えてはいけないのだろうと思うこの頃です。

 

代表取締役 CEO 奥野 政樹

 

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