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法人向けクラウド・ネットワークサービスのPacketFabric

トリプル・トリニティー・サービス―TTS―

2017年12月01日

当社には“バイリンガルITサポート”というサービスがあります。IT企業が日米間などでグローバルなやり取りをしなければならないときに、その言語的な橋渡しをするというサービスです。もとはと言えばこれは当社のネットワーク・サービスの顧客向けのサポート業務で、日米両言語で行うこの顧客サポート業務を当初は外注していました。10年ほど前にこれを自社運営に切り替えた際、いずれはこれを自社のためだけではなくサービスとしてお客様用に役立てようと考えていて実現したサービスです。数年前から顧客がつき始め、ここ2年ほどはご契約いただくお客様も増えて経験も蓄積されてきました。そこで、少しマーケティングなども積極的にやって世の中に強く打ち出してみるかということになりました。

世の中に打ち出すとなると、この商品は本質的には何なのか、例えば英語対応をするコール・センターとは何が違うのかといった事を、しっかりと固めて世の中に伝えていく必要があるらしい。こういうのをブランディングというのだそうです。“らしい”というのは、私自身がこういう“しっかりと伝えられた”ことであまり心が動くタイプではなく、子供の頃から流行などとはいつもどこか遠いところで生きているような人間なので、このブランディングの大切さにも正直ピンとこないのです。
 ただその一方、自分で言うのも変ですが、作れと言われればそういう説明のためのブランディング・ストーリーみたいなものは、割とすぐにできてしまいます。多分自分がそういうことにあまり思い入れがないので、作れと言われると、自分がいいと思うものを考えるというよりは、客観的にどう言えば他人に伝わるかばかりを考える。人の心を前向きにする刺激的な言葉を使いながらも、言葉が空疎で空回りしないようにそこに揺るぎない信念は込める。独自性はあるけど、懲りすぎて独りよがりにならないように、現実味の範囲を逸脱しない。そういうことを割と他人事のようにあまり思い入れなくできるということです。

それで、今回作ったのが表題の“トリプル・トリニティーサービス”。トリニティーというのは、ご存じのとおり3つでワン・セットという意味ですが、それが3つあるので、トリプル・トリニティー。語呂合わせです。3つのトリニティーとは以下の通りです。

①ITサービス×言語サポート×ユーザー
②言語×文化×解決
③ダイナミズム×スピード×攻撃力

①と②は、このサービスを提供するにあたっての登場人物と業務内容を表わしているもので、トリニティーを3つにするために登場した盛り上げ役みたいなものですが、③はこのサービスの本質をついた核心のトリニティーになります。更に、このサービスのキャッチ・フレーズが以下です。

実現!異文化間の化学反応 with Your Global IT Partners!

要するに、当社がダイナミックにスピーディーにかつ攻撃的に動くことで国際ビジネスという異文化環境において化学反応を誘発し、新しいものを生み出していこうということです。
と、ここまではすぐできるのですが、これだと絶対に多くの人が疑問に思うであろうことが容易に想像つきます。それは、なぜ当社がダイナミックにスピーディーにかつ攻撃的に動くことで、国際ビジネスという異文化環境において化学反応を誘発し新しいものを生み出せるのかということです。これは私の国際ビジネスの経験上あまりにも当たり前のことなのですが、何せ経験上の事なので経験のない人に説明するのは非常に難しい。案の上、社内からここがわからないという声が多数挙がっていました。

どうしたものかと思っていたら、テレビでいいことを言っている人がいました。島田久仁彦さんという人で、職業は国際紛争調停人、別名交渉のプロ。まずはこういう映画に出てくるような職種をどこが募集しているのか、またどうしたらなれるのか、そこに強く興味を惹かれて色々と検索してみましたが、どうもそこはよくわかりませんでした。しかし島田氏はコソボの民族紛争の調停を実際に仲立ちしたそうで、その話も具体的なので、とにかくそういう凄い職業の人が世の中にはいるということは確かです。
 その島田氏が国際紛争の調停で一番大事なことは何かと問われて、こう答えていました。「とにかく、両当事者に少しでも多く喋らせること。立場も考え方も文化も違う。利害は完全に相反している。だから紛争になる。お互いに顔も見たくないのだから、まずはそこを抜け出すことが大事。お互い口を開かせなければならない。そのためには、何が正しいのかが問題なのではない。話をしようという気にさせるための心理戦とテクニックがすべてである。」
 島田氏のこの言葉を聞いていて、どこかで聞いたことがあるような気がしました。そうだ、自分じゃないか。最近、異文化間の化学反応のためになぜダイナミズム×スピード×攻撃力が必要かと問われると、いつもこう答えています。 「これができる我々が間に入らないと、国際ビジネスではお互いに不信感が募って話が終わってしまう。翻訳や通訳が正しいかどうかは、そんなに大事なことではない。間に入る我々は、とにかくダイナミックかつスピーディーに両当事者の心理を攻撃的に揺さぶり、対話が途絶えないように、できるだけ多くの対話がされるようにすることが第一。」

国際ビジネスは国際紛争とは違って命はかかっていないけれど、本質は似たようなところがあり、やはり異文化間で何か事を成すには、とにかくお互いの対話を途絶えさせない心理戦とテクニックに長けた第三者の存在というのが非常に有効なのです。
 当社がこの心理戦とテクニックに長けている理由。それはもう、当社が設立以来15年以上にわたって国際ビジネスの現場でこの心理戦を繰り返し、テクニックを磨いてきたからに他なりません。これを、今度は自社のためだけではなく広く世の中のために役立てる。それが“トリプル・トリニティー・サービス”なのです。

 

代表取締役CEO 奥野 政樹

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