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花見ラン

2018年04月02日

桜が満開となりました。私の住む駒込エリアと言うのは江戸の昔には染井町といわれたようで、実はソメイヨシノの発祥の地とも言われています。実際、付近には立派な桜並木や桜のトンネルがたくさんあります。また、ちょっと足をのばして王子方面に行くと徳川8代将軍の吉宗が江戸の庶民が花見を楽しめるように、とつくった飛鳥山公園という桜の名所もあります。
 とはいうものの、こんなことは地元以外では大して知られた話でもなく、以前はこの季節になったからと言って特に変わったこともありませんでした。それが、ここ2,3年でしょうか、急に人出が増えています。テレビ局がどこも経営難で安い予算で作れる散歩番組を増やしているのが原因の一つではないのかと思うのですが、休日ともなると桜見物の人々が隊列を組んでやってきます。今年は特に、例年ソメイヨシノより10日ほど早く満開となる六義園のしだれ桜とソメイヨシノのピークが重なってしまい、今週の日曜日などは駅前の横断歩道が人であふれ、私のパパチャリは車道に押し出されてしまうほどでした。

私も御多分に洩れず桜の花は好きです。満開のソメイヨシノはできるだけ楽しみたい。しかし、適当な仲間もいないので、集団で酒盛りをするなどはやりません。私の花見はズバリ花見ラン(Run)。この季節に備えて近所の桜の名所を軒並み廻るランニングコースをいくつか用意してあり、そこをただひたすら走ります。夜の飛鳥山公園は酒盛りをする若者でごったがえしていますが、その横を息も絶え絶えに疾走する。自宅マンション前の小路は狭いので人が溢れていますが、そのなかを「どいて、どいて」と叫びながら突き抜ける。苦しいし、どんどん風景は移りゆくのでゆっくり花を満喫する余裕はないのですが、春のMy風物として楽しみにしています。
 ただ、前述のとおり、今年は如何せん人出が多い。走ろうにも、どこもかしこも人垣ができてしまっており、危ないことこの上ありません。ということで今年の花見ランは夜の染井霊園を中心に行っております。ここもソメイヨシノの名所で昼は酒盛りをする集団が溢れていますが、不思議と夜になると人っ子一人いなくなります。かなり広大なエリアに無数の満開の桜がほの暗い月明かりの中にぼんやりと浮かんでいる。それをまさに独り占めです。しかもこのエリアには芥川龍之介、遠山金四郎、手塚治といった有名人達が多数眠っており、そういたセレブ達に見守られながら真夜中の霊園を疾走する。稀に通行人とすれ違いますが、むこうが慌てて逃げるのでランの大きな障害にはなりません。贅沢というのは大金を払わなくても意外と身近に眠っているものです。

桜というのは実は満開の時だけが見ものと言うわけではありません。散り際には寂寥感をただよわせた花吹雪となるし、実はその後、夏に向けて葉桜の緑がどんどんと濃くなっていく成長の力強さというのも、人に大きな勇気と活力を与えてくれます。ただ、どうも夏になると例年霊園の夜は、目の悪い私には顔の輪郭と足元のはっきりしないフラフラした通行人が増える気がして、足が遠のいてしまいます。真夏は、このエリアだけすこし気温も低いようで走るには必ずしも悪くはないのですが、あまり気が向きません。
 ということで今年の花見ランも後1週間。後悔のないようにしっかりと頑張ろうと思います。

 

代表取締役 CEO  奥野 政樹

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