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法人向けクラウド・ネットワークサービスのPacketFabric

ゲリラ・サポート

2015年09月24日

ITにおけるサポートというのは基本、ロジックの積み上げです。まずお客様が問題を抱えており、解決へのニーズがあります。そのニーズにお応えするために、状況を分析し、最適なツールを組み合わせながら、ソリューションをつくりあげていく、これが正攻法です。しかし、現実の世界においてはその正攻法が必ずしも機能しない、正攻法だと時間がかかりすぎる場合も多いわけです。特にお客様のニーズが単純ではなく様々な要素が複雑に絡み合う場合には、その論理を積み上げるだけに時間がかかったり行き詰ってしまうこともあります。必要なのは、適切なソリューションを、迅速に提供することです。我々は「ゲリラ・サポート」などと呼んでいます。

最近、インターナップの10M専用線インターネット接続サービスをオフィス回線として長くご利用いただいているお客様が、業務でのインターネット使用量の増加から帯域の増強を検討されました。
しかし、現在ご利用中のアクセス回線は専用線。
専用線の帯域を上げれば、そこにはどうしても無視できない費用の増加が発生してしまいます。
一方、費用面だけで他社のサービスに乗り換えると、業務に影響を与えかねない品質の低下を招くリスクがあります。オフィス業務の効率が低下するリスクを考えると、やはり他社のベストエフォート回線への移行に踏み切れません。しかし、現に目の前にある問題として、回線帯域が逼迫しているのです。

お客様を訪問した際、上記ベストエフォート回線の検討をしている状況をお聞きした私は、その場でインターナップのベストエフォート型回線を提案しました。
本来、当社のサービスは品質の保証された専用線で接続いただいてこそ最高の効果を発揮するものですから、このご提案は全てのお客様に当てはまるものではありません。
しかし、お客様のご利用用途がオフィス用途であり、現在ご利用中の帯域を考えますと、信頼のおけるベストエフォート型回線が、実はお客様ニーズに最もお応えできるものではないか、と考えたからです。

提案しながら、同時に、品質面の担保を取るべくインターナップで何ができるか?に考えをめぐらせました。

ベストエフォート型アクセス回線については、設置してみないと回線の品質が確認できません。
これは大きなリスクです。契約した時点で、1年間といった最低利用期間に縛られるからです。
かつ、一定期間使用してみないと、時間帯による品質のばらつきが確認できません。
これらのことから、お客様の実環境で、ベストエフォート型回線を一定期間試用できたらよいのでは?と考えました。

ですが、通常アクセス回線は年単位での契約により、長期間の利用が原則。
試用期間など設定できるものではありません。特にベストエフォート型回線については、回線事業者との長期間にわたる折衝が必要だったり、周辺地域での実測結果からある程度の想定値を計算しつつ、実測値が異なるかもしれないというリスクをお客様に納得いただく必要があります。しかし、そんなことをしている時間はありません。お客様の回線は急激に逼迫しています。

そして、その時私は試験環境で使用している回線があることを思い出しました。
提案したものと同一のベストエフォート型回線で、既に最低利用期間を終えています。
かつ、このベストエフォート型回線は技術部の検証で利用していたため、実際に特性がわかっています。
これを活用しない手はありません。

試用期間を設けるという基本方針だけご案内し、社に戻る電車の中で、早速キャリアに打診しました。
回線の接続先の変更、「首振り」などと我々は呼びます。
移行スケジュールと試験方法についてもチーム内で吟味しました。

結局、最終的な提案は下記の通りとなりました。
1) 本番契約前に、一定期間の試用期間を設ける
2) 回線が敷設された時点で帯域の負荷試験を測定する
3) 1、2の試験のいずれの場合でも希望通りのパフォーマンスが得られない場合は、回線の移行を行わない

すぐにお客様よりご提案を了承いただき、最短納期で試用期間を開始することができました。
尚、帯域試験に関しては、今回の設置場所の地理条件などから、良好な結果を得ることができました。
現在の利用状況から判断して、オフィスでご利用いただくには充分な値です。

私の場合、基本はいつでも、真正面から正攻法です。
そして、時にはどんな手段を使ってでも、ゲリラごとく最善のサービスを最速で提供します。

各種お問合せ、お見積もり、資料請求に関するご質問を承っております。まずはお気軽にご連絡ください。

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