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<解決編>電波時計なのに、ただのクォーツ時計!?

2015年11月17日

~電波時計改造奮闘記(後編)~

さて、前回、電波時計なのに単なるクォーツ時計化した我が家の掛け時計の改造のお話をしましたが、測定器まで自作して作ったループアンテナだけでは、電波の受信には不十分であることが分かりました。

安定した受信の為には、もっと強い電波を時計の回路に送り込んでやる必要があります。本来なら、ループアンテナのループを大きくするのですが、時計に内蔵するためには、大きさの制約があります。この時計の直径は約30cmです。また、作成したループアンテナは外枠と内枠の1mm弱の隙間に入れてありますので、巻き数を増やすこともできません。

何とかして、受信電波の強度を上げたい。でも、最初の外観を変更しないという制約が邪魔になります。ここで、私にひらめきが。

「増幅すれば...」

趣味で真空管アンプやスピーカーを自作している私にとって、アンプくらい簡単じゃん。

40KHzなんて、聞こえないけれど、ほとんどオーディオ帯域だし。

アンプを入れることにしましょう。今時なら、オペアンプを使った方が増幅率も高いし、余っているオペアンプもありますが、電源の問題が...

アンプの電源は時計の電池から共有します。そうなると、3Vの省電力で動く回路が必要です。オペアンプでは通常、±の両電源ですし、単電源でも3V以内という制限が付くと、手持ちの部品がありません。最初は裏側にも乾電池で別電源を作ろうかとか、ACアダプターで、なんてことも考えましたが、そう、最初のポリシーに反するのです。

最初は、フィルター回路を作って、40KHzのみを通過させる回路や電圧が欲しかったので3Vを5Vに昇圧する回路を仕込んだりしましたが、なかなかうまく動かず、また、前回からいろいろとやっていますので、精神的にも限界が迫ってきています。加えて、時計の内部をいじくりまわしているので、もともとの配線のはんだ付けが取れてしまったり、秒針が曲がったりと、半分、厭になってきているのが本音でした。しかし、ここまでやってきて諦めるわけにはいきません。もう、ここは単純なトランジスタのアンプで行くことにしました。回路的にも、それほど、電力の消費はないでしょう。(検証する気力が失せている)

部品箱から余っているトランジスタを探しだし、簡単な受信機用のプリアンプ回路をトランジスタで作り、アンテナからの電波を増強させました。初めは、トランジスタ1石のアンプでしたが、最終的に2石アンプにしました。

図5図6

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

強い電波を時計の元々の回路に放りこんで、後は、時計のオリジナル回路に任せます。おそらく、ループアンテナが拾った電波は、AMラジオの電波などの様々な電波(ノイズ)にまみれているでしょう。しかしながら、このアンプを搭載した我が家の電波時計は、無事、電波を受信し、日本標準時を刻んでおります。

図7

追記:

今回、このブログを書くことになり、写真があった方がいいという話になりました。

当然、この改造をしたときは、ブログのネタになることなど考えてもいませんでしたので、写真など撮ってはおりません。そのため、再度時計を開けて、これらの写真を撮りました。その時にまた内部の配線を切ってしまい、はんだ付けをやり直したりと、文章を書くよりも、結構時間がかかってしまいました。

最後に、この改造を行うに当たり、様々な技術的な情報を提供されている、インターネット上の皆様にお礼を述べさせていただきます。

 

終わり

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