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長さん

2023年12月01日

 もうどのくらいの方がご存じかわかりませんが、その昔、「太陽にほえろ!」という伝説の刑事ドラマがありました。新宿にある架空の七曲警察署捜査一係を舞台とした物語です。長く続いたのでその間に出演者も大きく変わったのですが、番組スタート当初の一係メンバーは以下のような感じでした。

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ボス 30代半ば。警察エリートなのだが、上の組織は肌が合わず志願して所轄の係長をやっている。

山さん 30代半ば。最初のうちは仕事中に雀荘に入り浸る不良刑事だったが、いつの間にか推理力に卓越した
    キレ者にキャラ変更。落としの山さんという異名を持つ取り調べの名手。

ゴリさん 30代前半。熱血漢。すぐ熱くなる人情派。いわゆる体育会系。

殿下 20代後半。甘いマスクと穏やかでスマートな立ち振る舞いのインテリ系。

マカロニ 20代前半。型破りな新米。

シンコ 20代前半。女性刑事。当時はそれだけで十分に異色でキャラが立った。

長さん 50代前半。現場一筋のたたき上げ。やや考え方が古く浮きがちではあるが周囲    からの信頼は厚い。

お茶汲みの女性 20代前半。当時としてはこのメンバーの中で唯一と言える普通の存在。
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 最近、この手の組織構成を映画の中にもドラマの中にもとんと見なくなりました。刑事ドラマという物自体見かけなくなりましたが、警察を扱った作品は例外なく、警察機構という巨大組織の矛盾と腐敗に一人立ち向かうヒーローを描いています。そこには場合によりそのヒーローをサポートする子分はいますから、コンビはあるのですが、個性溢れるメンバーで構成されたチームはありません。今時の風潮を考慮してか、女性ボスや子育て刑事なども登場しますが、それはただのスペックによる類型であり、人格によるダイバーシティーは全くありません。あるのは、ただ組織の理屈の前に無力で諦め顔の大多数と、それに一人抗うヒーローの二種類の人格だけです。これはやはり昨今の日本における組織不信、チーム崩壊の現状を反映したものなのではないでしょうか。

 一方、海の向こうの米国は、長く個人主義の国などと言われてきましたが、日本よりもよっぽどチームというものが意識されています。もちろんそれでチームワークが完璧に機能しているかと言えば全くの別問題で、米国の場合、各自の仕事の所掌範囲というのは明確に区分されているのでチーム連携と言っても難しい部分もあるのですが、少なくとも誰かが声を上げれば聞いてくれる人、動いてくれる人はいます。つまり、チームにおけるコミュニケーションは存在するのです。そういえば、最近は米国のコールドケースやクリミナル・マインドと言った警察ドラマではチームが描かれている。昔は刑事コロンボなど、すべて個人プレーのドラマでした。この30年ほどで日米の組織やチームに対する考え方や期待はまさしく逆転したかの感覚が私にはあるのです。

 もし、日米逆転現象により米国が太陽にほえろ的な組織構成を理想としているのであれば、少し気になることがあります。私がこの仕事を始めた20年ほど前、米国本社の上司陣は皆私より年上でした。それが今や皆年下のようです。米国では年齢というのは日本ほど意識されませんから、皆の正確な年齢はよくわかりませんが、どうも一回り位は私より若い人が多く、中には20代の人もいる様子。私はずっとボスか、まあ、山さん的な存在を意識してきたわけですが、もしかしていつの間にか長さんになってしまったのでしょうか。長さんという存在は、毎週太陽にほえろを楽しみに見ていた子供の頃の私にとっては正直、最も魅力に欠けるキャラでした。しかし、今や自分がそうなってしまっているのであれば、仕方がありません。若い面々の信頼を失わないよう引き続き、遅くなった足で息を切らしながら犯人を追い回し、少々時代から乗り遅れた言動を自信満々に飛ばしながらも現場で闘い続けていくしかないのでありましょう。


代表取締役 CEO 奥野 政樹

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