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法人向けクラウド・ネットワークサービスのUnitas Global

AgileSERVER – INAPのベアメタルクラウドを使ってみた

2018年03月05日

AgileSERVER は、INAP米国本社の主力サービスであるベアメタルクラウドサービスだ。目下INAP Japanでもサービス化に向け、検証を重ねている。今回、AgileSERVERの説明も兼ねて雑記を綴ってみた。

現在のAgileSERVERのリージョンは、以下の通りである。Tokyoリージョンは、まだない。だが、ロードマップには乗っている。我々INAP Japanとしては、何とも待ち遠しい次第である。Tokyoリージョンカットオーバーの暁には、桜のアイコンにでもなるのであろうか。富士山であろうか。まさか、東京タワーじゃあ、あるまい。

INAP本社のAgileクラウド開発基盤チームには、OpenStackの開発に参加している強者もいる。OpenStack Summit Tokyo 2015では、彼らが呼ばれてプレゼンまでしている。当時、モントリオールからはるばる海を渡ってきたINAP Agileクラウド開発基盤チームを、我々INAP Japanは会食にご招待さしあげた。私はチームリーダーの方の目の前に坐し、Agileクラウドを支えるOpenStackについて、密に情報交換をするの機会を得た!!しかし、普段と違い接待向けの、銀座の高級料理店であったせいか、思いのほか酔いが回ってしまい、8割は記憶にない。それどころか、不覚にも酔いつぶれてリーダーさんの目の前で寝てしまった。とんだ失態であった。たどたどしい記憶をたどると、OpenStackの6か月ごとのバージョンアップを、大きくA面B面に分けてlive migrationしながら進めるのだ、と話していた。

とにかく、そんな風にして最高度にチューニングされたINAP Agileクラウドを、目下、技術部とNOCで先行して検証を進めている。そのおすそ分けと言ってはなんだが、インターネットでも比較的情報が少ないベアメタルクラウド、AgileSERVERをご紹介しようと思い立った次第だ。

AgileSERVERインスタンスの起動
インスタンスの起動は、INAP専用ポータルから行ってもよいし、OpenStack Horizon Dashboardから行ってもよいし、APIも提供しているし、OpenStack Command Line Utilityを使ってもよい。結果は同じだ。

以下はINAP専用ポータルの画面ショットだ。

ここで選べるのは、各リージョンのラックに一定数搭載している標準モデルのものだ。標準モデルは、時間課金で使うことができる。ただし本番環境では、これ以外のカスタマイズモデルをご希望だろう。より細かい、カスタマイズ注文は、弊社担当営業が承っている。NVMeも注文可能だ。その場合は月契約や、年契約となる。実はお値段も、時間課金が一番割高となっている。一定の期間の個別契約を結んでいただくのが、最もコスト安だ。

インターネットのアウトバウンド課金も、月5TBまで無料でついてくる。他のクラウドサービスでは従量課金となっていて、なかなか馬鹿にならない金額になるという声を聞くが、AgileSERVERなら、そこは安心だ。

尚、本画面ショットのハードウェア一覧はINAP Japanの検証専用に用意してくれたものだ。最新のハードウェアは望めないかもしれない。しかも、例のリーダーさんが3年前のことをしっかり覚えていて、ああ、INAP Japanのマニワね、俺の目の前で眠りこけていた、あいつね。まだ生きてたか。ふん、型落ちしたモデルで十分だ、倉庫に眠ってる適当なやつマウントしておけよ。おい、SSDなんて使うな、もったいない、接待中に寝るような奴には、spinning diskで十分だ。…なんて、リーダーさんの声が聞こえてきそうだ。

下はHorizon Dashboardの画面である。

今回、OpenStack Command Line Utilityをインストールした管理用パソコンを準備した。コマンドラインで起動するには、以下の要領だ。

# openstack server create --image <image> \
--flavor AS2.2xE5-2630v3.64GB.1x480GB.SSD.10GbE \
--security-group web-from-untrust \
--security-group all-from-lan \
--key-name internal_key \
--user-data userdata/baremetal.txt \
--nic net-id=<net-id> \
baremetal01

インスタンス起動時に、Neutron仮想ネットワークを指定する。INAP Agileクラウドは、1アカウントにつき最大10個の仮想ネットワークを提供している。

今回はNIC1にWAN側のネットワーク、LAN側に一つ指定してインスタンスを起動してみよう。

起動中のStatusだ。

$ openstack server list -c Name -c Status
+-----------------+---------+
| Name            | Status  |
+-----------------+---------+
| baremetal01     | BUILD   |
+-----------------+---------+

待つこと数分。AgileSERVERが起動した。

$ openstack server list -c Name -c Status
+-----------------+---------+
| Name            | Status  |
+-----------------+---------+
| baremetal01     | ACTIVE  |
+-----------------+---------+

Horizonの仮想コンソールから見てみよう。


起動したら、Key Pairでログインしてみよう。無事ログインできた。


$ ssh -i internal_key.pem root@xxx.217.96.182
The authenticity of host 'xxx.217.96.184 (xxx.217.96.184)' can't be established.
ECDSA key fingerprint is SHA256: xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx.
Are you sure you want to continue connecting (yes/no)? yes
Warning: Permanently added 'xxx.217.96.184' (ECDSA) to the list of known hosts.
[root@baremetal01 ~]#

OpenStack Command Line Utilityで再起動してみよう。

$ openstack server reboot baremetal01

 

以下は仮想コンソールの起動シーケンスだ。

管理する上では、仮想マシンとベアメタルの区別はない。等しくdashboard、API、コマンドラインから操作できる。


$ openstack server list -c Name -c Status
+-----------------+---------+
| Name            | Status  |
+-----------------+---------+
| baremetal01     | ACTIVE  |  ← ベアメタルサーバ
| vmCentOS7       | ACTIVE  |  ← 仮想マシン
| vmWindows       | SHUTOFF |  ← 仮想マシン
+-----------------+---------+

 

ネットワーク設定
AgileSERVERの全てをここで解説することは難しいが、ネットワーク回りだけ概説するとしよう。AgileSERVERのオンボードNICは、2つだ。これを、Linuxならbonding、Windows Serverならteamingされた状態でインスタンスが立ち上がる。いずれもモードはラウンドロビンだ。ただし、ESXiをOSに選択した場合のみActive/Standbyとなる。ESXiがサポートする方式がこれしかないためだ。

インスタンス起動時に選択した仮想ネットワークへは、OS内ではVLANで接続される。オンボードNICは、eno1とenp2s0だ。これらをbondingしている。


[root@baremetal01 ~]# ip link show
1: lo: <LOOPBACK,UP,LOWER_UP> mtu 65536 qdisc noqueue state UNKNOWN mode DEFAULT qlen 1
link/loopback 00:00:00:00:00:00 brd 00:00:00:00:00:00
2: eno1: <BROADCAST,MULTICAST,SLAVE,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc pfifo_fast master bond0 state UP mode DEFAULT qlen 1000
link/ether 00:25:90:a5:fe:e9 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
3: enp2s0: <BROADCAST,MULTICAST,SLAVE,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc pfifo_fast master bond0 state UP mode DEFAULT qlen 1000
link/ether 00:25:90:a5:fe:e9 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
4: bond0: <BROADCAST,MULTICAST,MASTER,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc noqueue state UP mode DEFAULT qlen 1000
link/ether 00:25:90:a5:fe:e9 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
5: bond0.2243@bond0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc noqueue state UP mode DEFAULT qlen 1000
link/ether 00:25:90:a5:fe:e9 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
6: bond0.3234@bond0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc noqueue state UP mode DEFAULT qlen 1000
link/ether 00:25:90:a5:fe:e9 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff

当然、bond0にはIPアドレスは振られていない。

[root@baremetal01 ~]# ip link show bond0
4: bond0: <BROADCAST,MULTICAST,MASTER,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc noqueue state UP mode DEFAULT qlen 1000
link/ether 00:25:90:a5:fe:e9 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff

IPアドレスはbond0のサブインターフェイスに振られている。

[root@baremetal01 ~]# ip address show bond0.2243
5: bond0.2243@bond0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc noqueue state UP qlen 1000
link/ether 00:25:90:a5:fe:e9 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
inet xxx.217.96.184/28 brd xxx.217.96.191 scope global bond0.2243
valid_lft forever preferred_lft forever
inet6 fe80::225:90ff:fea5:fee9/64 scope link
valid_lft forever preferred_lft forever

[root@baremetal01 ~]# ip address show bond0.3234
6: bond0.3234@bond0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc noqueue state UP qlen 1000
link/ether 00:25:90:a5:fe:e9 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
inet 172.31.10.198/29 brd 172.31.10.199 scope global bond0.3234
valid_lft forever preferred_lft forever
inet6 fe80::225:90ff:fea5:fee9/64 scope link
valid_lft forever preferred_lft forever

デフォルトゲートウェイはWAN側の仮想ネットワークに設定されている。

[root@baremetal01 ~]# ip route show
default via xxx.217.96.177 dev bond0.2243
xxx.217.96.176/28 dev bond0.2243 proto kernel scope link src xxx.217.96.184
unreachable xxx.254.169.254 scope host
172.31.10.192/29 dev bond0.3234 proto kernel scope link src 172.31.10.198

以上である。急ぎ足ではあるが、AgileSERVERの概要をご理解いただけたと思う。INAP Agileクラウドサービスのご質問は、お問い合わせメールinfo@unitasglobal.co.jpよりいただければ幸甚である。

事業戦略部 間庭一宏

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